これまで同社ではこのFAX送信とメール送信を、HICOSと呼ばれる基幹業務システムが稼働するオフィスコンピュータ(IBM System i)から、ケイ・アイ・エス・エスの提供する総合帳票ツール「WilComm(ウィルコム)」に出力指示を出すことで実現していた。 システム的には、IBM System iからスプールファイルがWilCommサーバで帳票を作成し、FAXの場合は搭載されたFAXボードから電話回線を通じて実際のFAXを送信、メールの場合はメールサーバに連携するという構成だ。
同社では、社外ITベンダが仮想サーバをはじめとしたハードウェアとネットワークなどをサービスとして提供するIaaS(Infrastructure as a Service)の仮想環境に社内インフラを順次移行していたが、FAX送信にも活用しているWilCommサーバ2台もこの環境に移すことにした。その最大の理由は、管理負荷とコストの削減だ。
FAX送信機能についても、FAX送信サービスを活用することで運用の改善を図ることにした。総合帳票ツールであるWilCommは、様々な出力先をハンドリングすることが可能で、IBM System iとの親和性も高い。同社にとっては必要不可欠なツールだった。そこで西村氏は、現行のWilComm利用をベースとした新たな仕組みの導入を検討することにした。