導入の経緯
従来のハードを設置するシステムからハード不要のクラウド型へ
現状の課題を解決するだけでなく“さらに先”を見据えた選択
実は同社では、『e-帳票』を導入する以前からFAXの自動化を実践していた。しかし森山氏によると、従来のシステムには複数の課題があったそうだ。
「当時は各拠点に通信ハードウェアを設置するタイプのシステムを利用していました。しかし、利用していたバージョンが販売終了になり、もしハードが壊れてしまったら買い替えができない状態になっていました。つまり、同じシステムを使い続けるには、全拠点分のハードを新たに購入しなおす必要がありました。ハードの費用は1拠点あたり30万円を超えるため、グループ会社を含めると20拠点に上る当社の場合、600万円以上の投資になります」。
また、課題は費用だけにとどまらない。旧システムではFAX回線を増やすことができず、全てのFAX送達には長い時間がかかっていた。
さらに、発注担当者が休みのタイミングなどには、ハードの電源を入れ忘れたまま発注書のFAX送信指示を行い、翌日に必要な商品が入荷されないなどのヒューマンエラーも生じていたという。
こうした状況を受け、ハードの要らないクラウド型のFAX送信サービスの検討に至った。
選定にあたっては、上記の課題を解決することに加え、さらに条件を追加したと山田氏は話してくれた。
「せっかく新しいサービスを導入するなら、今後を見据えてよりよい環境づくりができるものを選びたいと考えていました。
そのための条件のひとつは、各拠点の情報を1箇所に集約できること。
これまでは各拠点に通信ハードウェアがありましたが、これをひとつにまとめて管理したいとずっと考えていました。
そしてもうひとつの条件は、汎用性が高いこと。
実は、FAXの“受信”は2年ほど前にサーバーリプレイスをしたばかりですが、ゆくゆくはそちらもクラウドサービスに切り替えたいと思っています。
こうした条件も追加して選考を進めた結果、たどり着いたのが『e-帳票』でした。大量の回線数があってタイムリーに送信できるのはもちろん、クラウド上に情報を集約でき、ハードも一切不要。ネクスウェイはFAX受信の電子化や請求書発行のアウトソーシングにも対応していて、これなら長い目で見てもいいパートナーになってくれるだろうと思いました」。