スマホで予約…でも最終的にはFAXに!デジタル時代に「未だ」FAXが使われている理由とは
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パソコン・スマホ…デジタル全盛の昨今において、アナログのFAXと言えば「昔のもの」と思っている方も多いことでしょう。
飲食店・宿泊施設の予約もパソコン・スマホで「すぐ完了」の今の世の中。もはやFAXなんて使っているのは時代遅れの会社だけ…ではありません!
私たちの見えない所には多くのFAXが使われています。とはいっても、「じゃあどこで使われているの?」と思っている方もいることでしょう。
そこで今回は、「実際にFAXはどこで使われているのか」という実例を元にFAXについて説明していきたいと思います。
− パソコン・スマホで予約した後は…FAXになる!!
前述した「飲食店・宿泊施設の予約」。一般の予約者である私たちは予約サイトやアプリを通して、日程・人数、プランを入力するだけで簡単に予約することが可能です。
私達が予約をすると、一度予約サービスを展開している事業者にデータが送信されます。
その後、ホテルや旅館にそのデータが飛んでいくのですがこの時に「データがFAXへ」と変わります。
− “接客業”はメールを開けない?!まだFAXが使われている理由とは
ではデジタル全盛の今において、なぜ未だに宿泊・飲食業界の大半でFAXが使われているのでしょうか。
それは、“接客業”という業態が関係しています。基本、接客業をしている方はお客様対応がメインであることから、パソコンやスマホの前に張り付いていることは出来ません。
だからこそ、固定電話同様に、受信したことにすぐ気づくことができ、「紙が出ている」という「アナログ」で確認できることがこのような接客業においては非常に重要なことです。
また、ユーザー側からすれば、「あと30分後にすぐ泊まれる所ないかな?30分後に入れるお店ないかな?」というような緊急を要することもあります。その場合、メールでは気づかず、取りこぼしてしまうということもあるでしょう。
外回りのビジネスマンでも「電話は気づくけど、メールは気づきにくい」ということも往々にしてあるのではないでしょうか。
だからこそ、宿泊・飲食業界では未だにFAXが使われているのです。これは決してイノベーションが進んでいないわけではなく、双方(予約サイト側・宿泊、飲食施設側)にとって、一番わかりやすく効率的だからという理由があるのです。
− エアコン・トイレ修理・理美容室など…まだまだ多くの場所にFAXが使われている!
さて、前述したのは一般の人達に最も身近なことの1つである予約の部分ですが、この他にも様々な所でFAXは使われています。
・エアコン修理・トイレ修理
このエアコン・トイレ修理などは、まずお客様サポートセンターに消費者が電話し、修理をしに自宅やオフィスまで工務店の方が来てくれます。
このコールセンターと工務店さんをつないでいるのがFAXです。こちらも一般消費者の電話→FAXへと形を変えて届いているのです。
・美容院、ネイルサロン
美容院・ネイルサロンも同様に予約サイトを通して予約をすると、FAXとして送信される場合が多いです。こちらも接客業という性質上、旅館・飲食店と同様になります。一点だけ違うのは「フロント業務」だけを担当している人が少なく、多くの場合は技術者と並行して業務をしているので、予約者の取りこぼしをないようにするためにもFAXは重宝されています。
更には、
・士業(医者や士業の団体等)
連絡網などはFAXが使われています。
・ネットショッピング
ネットで注文すると、実店舗や担当者にFAXで通知がいきます。
・携帯電話の契約
各携帯会社の契約の際に身分証などを本社に送る際に使われています。
・学校
学校から教材の発注を販売会社へする際にFAXが使われています。
・出版社から書店へ
新刊情報などの書籍情報を書店へ送る際や、書店側から出版社側への発注業務にもFAXが使われています。
この他にも青果市場や漁場、金融機関、ゴルフ場の予約などなど、今なおFAXが使われている場所が数多くあります。
− FAXに変わるEDIの導入にはコストがかかる
以上のように、FAXが使われている業種は非常に多岐に渡ります。そして、このFAXが使われているシーンは消費者から情報が受け渡された後の「BtoB」の領域になります。
このBtoBの取引上で考えなければならないことはまず「相手」のことです。
発注書や出荷指示書、依頼書などを送る相手は旅館から理美容室、工務店や倉庫、工場などなど。そもそも、それらの場所は業務内容から鑑みてもパソコンがあるかと考えると圧倒的に「ない」ことが多いのです。
そのため、FAXに取って変わると言われていた、「パソコンが必要」なEDI(電子情報交換)が普及しませんでした。
さらにEDIは、初期の導入コストや月額料金がFAXに比べると割高です。
そう考えると電話回線を介して送受信できるFAXは、相手を選ばない素晴らしいインフラなのです。
− “紙”というアナログ媒体は必ず残る
未だにFAXが残る一番の理由。それは、「わかりやすい」ということなのかもしれません。
最終的に慣れ親しんだ「紙」というアナログな形で出力され、そのままそこに書き込むことができたり、相手に渡すことができるということ。
新しいテクノロジーが続々と生まれていく中で、未だにビジネスの中で活躍しているFAXには「生き残っている」理由があるのです。