
【調査】FAXをやめられない理由の9割は「取引先」──サプライチェーンに残る商習慣の壁
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製造業・卸売業324社のFAX利用実態調査
BtoB帳票支援ソリューションを提供する株式会社ネクスウェイは、全国の製造業・卸売業を中心とした企業324社を対象に、業務におけるFAXの利用実態と電子化の進捗状況を調査しました。
その結果、いまもFAXを業務利用する企業のうち約7割が「今後も利用を継続する」と回答し、その背景には「取引相手先の事情」を挙げる回答が89.8%にのぼるという、サプライチェーンに根を張った商習慣の存在が浮き彫りになりました。
調査結果サマリー
- 業務でFAXを送受信している企業のうち、約7割(70.1%)が「今後も利用を継続する」と回答
- FAXをやめられない理由は 「取引相手先事情」が89.8%で最多。「紙文化が根強い」27.5%、「自社内業務運用起因」23.8%を大きく引き離す
- FAXシステムは 「複合機内蔵機能」が62.3%を占め、クラウド/ASP系サービスの利用は11.1%にとどまる
- 脱FAXの移行先は 「メール」10.2% が「EDI」4.9%の約2倍。本格的な電子データ交換よりも、まずはメール置換から進む傾向
調査背景
電子帳簿保存法の改正やバックオフィスDXの加速を受け、企業の帳票業務における電子化は年々進んでいます。一方で、受発注・出荷指示・請求といった企業間商取引の現場では、依然としてFAXが基幹的な役割を担い続けているのも事実です。
「自社ではFAXをやめたいが、取引先が対応してくれない」「電子化を進めたいが、結局紙に出力している」――こうした声は、業務改善やDX推進の担当者から繰り返し聞かれます。
では、企業はいまFAX運用にどのような実態を抱え、何が"やめられない理由"となっているのか。本調査は、その実像をデータで明らかにすることを目的に実施しました。
調査概要
調査名称: FAX利用実態と電子化に関する調査
調査期間: 2026年3月~6月実施
調査対象: 全国の製造業・卸売業を中心とした企業(業務利用でFAXに接点のある企業) 有効回答数: 324件
※グラフの数字は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
調査方法: 郵送アンケート
調査結果
■ なぜFAXはやめられないのか──"商習慣の壁"の正体

取引相手先事情291件の内訳を解説
「FAXをやめられない理由」(複数回答可)を尋ねたところ、最多は 「取引相手先事情」で291件(89.8%) と、回答者の9割が選択する圧倒的な結果となりました。
このうち、「取引相手先事情のみ」を理由として挙げた企業が166件(取引相手先事情選択者の57.0%)にのぼります。つまり、自社内には電子化を阻む理由が見当たらないにもかかわらず、取引先の運用に合わせて仕方なくFAXを継続している企業が、回答者全体の半数を占めることになります。

これは、自社単独の意思決定ではFAX廃止に踏み切れないという、サプライチェーン構造に起因する課題を示しています。受発注のやり取りは取引先と一対一ではなく多対多の関係で成立しており、片側だけが運用を変えると業務が止まるリスクが存在します。
紙文化・自社内運用・利便性との関連も整理

取引相手先事情に次いで多かった理由は、「紙文化が根強い」27.5%(89件)、「自社内業務運用起因」23.8%(77件)、「利便性」13.6%(44件)でした。
これらは取引先要因と併存して選ばれている傾向があり、「取引先事情」+「紙文化」の組み合わせが42件、「取引先事情」+「自社内業務運用」が28件と、複合的な理由構造が見えます。
つまりFAX継続は、
外部要因=取引先の運用に合わせざるを得ない
内部要因=社内に紙起点のオペレーションが残っている
機能要因=手書きの追記や押印など、紙ならではの利便性に依存している
という三層構造で成り立っており、いずれか単独の改善ではFAX廃止に至らないことが示唆されます。
■ FAX運用の実態:62.3%が"複合機内蔵機能"のまま

クラウド化率の低さ=改善余地が大きいことを可視化
利用中のFAXシステムを尋ねたところ、「複合機内蔵機能」が62.3%(202件) と最も多く、6割超の企業がオフィス据え置きの複合機でFAXを送受信していました。次いで「ASPサービス」11.1%、「インストールソフト」9.6%、「手動」7.1%、「自社構築」6.2%と続きます。
クラウド/ASP型のFAXサービスを利用している企業は1割程度にとどまっており、多くの企業が紙とアナログ回線を前提とした運用のままである実態が浮かびます。

さらに月間のFAX送信枚数を見ると、
1,000枚未満:47.2%
1,000〜4,999枚:23.8%
5,000〜9,999枚:7.4%
10,000枚以上:8.3%
となり、回答企業の約4割は月1,000枚以上のFAXを送信していました。月10,000枚以上のヘビーユーザーも8.3%(27社)存在しており、紙の出力・仕分け・保管・通信費に相応のコストと工数が発生していることがうかがえます。

また、複合機内蔵機能で運用している企業のうち75.2%が「今後も利用を継続する」と回答しており、既存の運用環境を変えるトリガーがないまま、現状維持が選ばれている構図も見えてきました。
■ "取引先を変えずに"FAX業務だけ電子化する選択肢
受信FAXのクラウド管理/既存FAX番号維持/自動仕分け
ここまで見てきた結果は、FAXをやめられない理由の中心が「自社の判断で動かせない外部要因」にあることを示しています。だからこそ、"取引先のFAX運用は維持したまま、自社側の業務だけ電子化する"アプローチが現実解となります。
具体的には、以下のような選択肢が考えられます。
既存のFAX番号を変えずに、受信FAXをクラウド上で一元管理する 取引先には何の通知も依頼も必要なく、自社側だけで運用変更が完結する
受信したFAXを自動で仕分け・PCで閲覧・検索・返信できる仕組みを導入する 紙の出力や仕分け工数、在宅勤務でFAXが見られない課題を解消できる
送信側も、基幹システムから自動でFAX配信できる仕組みに置き換える 月1,000枚を超える送信業務の人的工数と紙コストを削減できる
これらはいずれも、取引先に運用変更を求めずに自社側だけでDXを進められるアプローチであり、「取引相手先事情」を理由にFAXを継続している約9割の企業にとって、現実的な第一歩となります。
EDIや完全電子化はゴールとして見据えつつ、まずは"自社側のFAX運用そのものをクラウド化する"ことで、紙起点の業務を解消していくステップが有効と考えられます。
総括:DXの"最大の障壁をどう超えるか
今回の調査から、FAXが業務インフラから消えない最大の理由は、技術的な問題ではなく 「サプライチェーンに残る商習慣」 にあることが明らかになりました。回答者の89.8%が「取引相手先事情」を理由に挙げ、そのうち半数以上は自社内の課題ではなく純粋に取引先要因のみで継続しています。
一方、FAX運用の主流が「複合機内蔵機能」62.3%であり、クラウド/ASP型の利用が1割程度にとどまっている現状は、自社側だけでも電子化できる余地が大きく残っていることを意味します。
DXは「全社・全取引先で一斉に置き換える」ものとして語られがちですが、現実には、
取引先と接続する外側のインターフェース(FAX)は維持しつつ、
受け取った後の内側の業務だけを電子化する
という"二層構造の移行モデル"が、最も摩擦が少なく成果が出やすい進め方です。
FAXは消えないかもしれない。しかし、FAXにまつわる紙・人手・在宅対応・保管といった業務の負荷は、いまから減らすことができます。DXの"ラストワンマイル"を超える鍵は、取引先を変えることではなく、自社の運用を変えること にあると言えるでしょう。
株式会社ネクスウェイ「BtoB帳票支援ソリューション」について
ネクスウェイの「BtoB帳票支援ソリューション」は、FAXの送受信や帳票発行業務をはじめとする企業間商取引のデジタル化・自動化をサポートするサービス群です。
FNX e-帳票FAXサービス:基幹システムと連携した自動FAX配信
FNX e-受信FAXサービス:受信FAXをWEB上で仕分け・閲覧・検索・返信
サービス開始から30年以上、製造業・卸売業をはじめ900社以上の導入実績を持ち、BtoB企業の業務効率化を支援しています。
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