業務のペーパーレス化は何からすべき?方法やポイントを解説
こんにちは。「FNX e-受信FAXサービス」ライターチームです。
DX推進の第一歩として、紙で進行される業務のペーパーレス化が注目されています。注文書や見積書、支払明細書などの各種帳票類を電子管理に移行するペーパーレス化は、業務効率、働き方の多様性を得られる他、コストの削減、組織のガバナンス向上など、期待できる効果範囲が大きいことが特徴です。
本記事では業務のデジタル化に向けた紙業務のペーパーレスの方法について整理、電帳法対応の保存プラットフォームやAI-OCRなどの最新のデジタルソリューションと併せてご紹介していきます。
▼煩雑なFAX受信業務のペーパーレス化の成功事例はこちらから
目次[非表示]
- 1.今、手元にある帳票書類のペーパーレス化を進める流れ
- 1.1. ペーパーレス化の対象になる帳票類の仕分け
- 1.2.ペーパーレス化を実現するソリューションサービスの選定
- 1.3.ペーパーレス化についての社内のルール策定
- 1.4.ペーパーレス化の効果を図る
- 1.5.電子ファイルで保存する
- 1.6.紙で作成していた帳票を電子化する
- 1.7.ペーパーレス化が求められる背景
- 1.8.テレワークの推進
- 1.9.SDGsへの感心・エコ意識の高まり
- 1.10.「電帳法」他、法改正による帳票電子化の促進
- 2.ペーパーレス化を定着させる5つのポイント
- 2.1.業務のペーパーレス化の社内への周知
- 2.2.段階的に進める
- 2.3.スマートフォンやタブレットから導入する
- 2.4.DX推進を支援している企業に依頼する
- 2.5.ツールを利用する
- 3.ペーパーレス化で組織ガバナンスが向上
- 3.1.情報の透明性とアクセスの向上
- 3.2.コンプライアンスの強化
- 3.3.業務プロセスの標準化
- 3.4.データセキュリティの向上
- 3.5.迅速な意思決定
- 3.6.環境面でのリーダーシップ
- 4.ペーパーレス化のおすすめのサービス・ツール
- 4.1.オンラインストレージ
- 4.2.電帳法に対応した帳票プラットフォーム
- 4.3.AI-OCR
- 4.4. ペーパーレスFAXの導入
- 5.まとめ
今、手元にある帳票書類のペーパーレス化を進める流れ
ペーパーレス化の対象になる帳票類の仕分け
ペーパーレス化を進める第一歩は、現状の紙書類を分類することです。業務に関連するすべての書類を集め、仕分けます。この分類作業を行うことで、どの帳票がデジタル化の対象になるのか、またどの帳票が物理的に保存する必要があるのかを明確にできます。
- 頻繁に利用する帳票・・・毎日または頻繁に使用する帳票
- 保管が必要な帳票・・・法律や規制上、一定期間保管が必要な帳票
- アーカイブ可能な帳票・・・将来的に必要な場合にのみ参照する帳票
- 不要な帳票・・・すでに役割を終えた帳票
ペーパーレス化を実現するソリューションサービスの選定
次に、ペーパーレス化を支援するツールを選定します。例えば、スキャナやOCR(光学文字認識)ソフトウェアを使用することで、紙の帳票をデジタル化することができます。
特に最近ではAIの飛躍的進化によってAI-OCRの活用が主流になりつつあります。
また、大容量のクラウドストレージや文書管理システムを導入することで、デジタル化した帳票の管理も容易になります。
- スキャニングツール:
- 紙書類をデジタル化するためのスキャナやモバイルアプリ。
- 文書管理システム (DMS)
- デジタル化された書類を整理し、検索しやすくするためのソフトウェア。Google WorkspaceやMicrosoft 365のようなクラウドベースのソリューションも有効です。
- 電子署名サービス
- 書類の署名をデジタル化するためのツール。例: DocuSign、Adobe Sign。
- クラウドストレージ
- デジタル書類の安全な保管と共有のためのクラウドサービス。
例:Box、Dropbox、OneDrive、Google Driveなど。
- デジタル書類の安全な保管と共有のためのクラウドサービス。
ペーパーレス化についての社内のルール策定
ペーパーレス化を進めるためには、社内でのルール策定が不可欠です。どの書類をどのようにデジタル化するのか、またデジタル化した書類の保存方法やバックアップ方法などを明確にすることで、業務がスムーズに進むようになります。
- デジタル化の基準
- どの書類をデジタル化し、どの形式で保存するかの基準を設定。
- アクセス権限の設定
- 各書類へのアクセス権限を明確にし、情報セキュリティを確保。
- バックアップルール
- デジタル書類の定期的なバックアップを行うためのルールを策定。
- 書類の廃棄ルール
- デジタル化後の紙書類の適切な廃棄方法を定める。
ペーパーレス化の効果を図る
最後に、ペーパーレス化の効果を図ります。デジタル化によってどれだけのコストが削減できたのか、業務効率がどの程度向上したのかを定量的に評価します。この評価を基に、今後のペーパーレス化の方針を決定します。
- コスト削減効果
- 紙や印刷にかかるコストの削減額を計算。
- 時間効率
- 書類の検索や共有にかかる時間の短縮を測定。
- 環境への影響
- ペーパーレス化によるCO2削減や資源の節約効果を評価。
- 従業員の満足度
- ペーパーレス化による業務の効率化や使いやすさに関する従業員の意見を収集。
今後発生する書類のペーパーレス化を進める方法
今後発生する書類についてもペーパーレス化を進めるためには、以下のようなアプローチが有効です。
電子ファイルで保存する
新たに業務利用する帳票は、最初から電子ファイルとして保存することを徹底します。受け取る帳票はPDF変換、作成する帳票類はデジタル作成PDF形式に変換して保存。
- 保存先のフォルダ構成の整備
- デジタル文書を効率的に管理するため、フォルダやファイル命名規則を明確に定めます。
- クラウドストレージの利用
- 作成した電子ファイルは、クラウドストレージ(例: Google Drive, Dropbox)に保存し、アクセスと共有を容易にする。
紙で作成していた帳票を電子化する
従来紙で作成していた帳票やフォームを電子化し、ペーパーレスを推進します。
- 電子フォームの導入:
- ExcelやGoogle Sheets、専用のフォーム作成ツールを使用して、帳票を電子化。これにより、データ入力や集計が効率化されます。
- クラウドサービスの活用
- クラウドサービスを使用して、現場や外出先でも帳票を電子的に入力・送信できるようにします。
- 自動化できるシステムの導入
- 帳票を電子化しで自社内のシステムに自動取り込みし、業務フローを効率化できます。
ペーパーレス化が求められる背景
ペーパーレス化が進んでいる背景には、国の政策や環境問題なども大きく関係しています。
働き方改革
2019年4月、国の重要政策である、働き方改革関連法が施行されました。内容として長時間労働の解消や多様な働き方により、業務効率や生産性の向上が含まれています。
ペーパーレス化は、紙の帳票と電子帳票を相互に転記したり、印刷・スキャンしたりする、非効率な作業を減らします。調べものにかかる時間も、検索機能によって大幅に削減できます。
また、電子帳票の情報をクラウド上で共有することで働く場所や時間の制約も減らし、多様な働き方を実現するために、業務のペーパーレス化に取り組む企業が増えています。
テレワークの推進
働き方改革において、多様な働き方を実現するために推奨されているテレワークは、新型コロナウイルスの感染防止対策として、急速に導入が進んでいます。
テレワークを行う際に便利なのが、WEB上で行う書類管理です。場所を問わずアクセスできる環境で、多様な働き方の実現や事業の継続が可能になります。多くの企業が、テレワーク導入とペーパーレス化を並行して進めています。
SDGsへの感心・エコ意識の高まり
紙の使用量を減らすことは、SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)につながります。
会議に使う資料のペーパーレス化で、紙の使用量を減らすだけでなく、コピー機やシュレッダーなどの電気代も節約できます。電気エネルギーの一部は、燃料を燃やすことで生み出されているため、地球環境保護、CO2排出量の削減にもつながります。
SDGsへの貢献やエコ意識を持つことが企業倫理として求められている現在、このような取り組みも活発に行われています。
「電帳法」他、法改正による帳票電子化の促進
2024年施行「電子帳簿保存法」も、ペーパーレス化を後押ししています。契約書や領収書などの電子データ保存を認めるこの法律は、2016年~2020年の間に、複数の大きな改正がありました。主な改正は、以下のとおりです。
- 領収書・契約書の上限額撤廃(2015年)
- スマートフォンでの撮影が可能になるなど、スキャン機器の緩和(2016年)
- ユーザーが改変できない書類は、データ保存が可能(2020年)
ペーパーレス化を定着させる5つのポイント
ペーパーレス化を推進し、社内に定着させるためには、どのようにしたらよいのでしょうか。社内の理解を得る方法や、環境整備のポイントを解説します。
業務のペーパーレス化の社内への周知
- 経営幹部や役職者
- 経営幹部や役職者には、ペーパーレス化の必要性やメリットを理解してもらうことが大切です。たとえば、業務効率化やコスト削減、テレワークによって事業継続計画が立てられることなどを説明します。会議や説明会で、これらの必要性をプレゼンテーションしましょう。
- 従業員
- 従業員に対しては、ペーパーレス化の目的やメリットを、丁寧に周知することが重要です。理解を得られてから実行に取り組まなければ、紙に印刷してしまうなど、従来の方法に戻り、ペーパーレス化が定着しません。
段階的に進める
総務や業務など、IT機器に慣れていない部署では、FAXのペーパーレス化から始めるなど、スモールスタートが適しています。
スマートフォンやタブレットから導入する
スマートフォンやタブレットなどの端末を導入して営業業務で出先からアクセス、情報を最新化する仕組みを導入することで、ペーパーレスと業務効率化に加え、業務の対応速度の向上も見込めます。
DX推進を支援している企業に依頼する
社内の人員だけでペーパーレス化を実現するのは、時間も労力もかかります。DX推進のためにペーパーレス、業務効率化を企業に相談すると突破口が開けるかもしれません。
ツールを利用する
ペーパーレス化をするには、ツールの導入が不可欠です。後述するようなツール・サービスも活用しながらペーパーレス化を進めるといいでしょう。
ペーパーレス化で組織ガバナンスが向上
業務のペーパーレス化が組織ガバナンスの向上に寄与する理由は、以下のような点にあります。
情報の透明性とアクセスの向上
ペーパーレス化により、情報がデジタル化され、クラウドや文書管理システムに保存されます。これにより、適切な権限を持つ全ての関係者が迅速かつ容易に情報にアクセスできるようになります。文書のバージョン管理や変更履歴の追跡が簡単になり、情報の透明性が向上します。
コンプライアンスの強化
ペーパーレス化により、文書の保存期間や廃棄時期などのコンプライアンス要件をシステムで自動的に管理できるようになります。これにより、法規制の遵守が容易になり、リスク管理が強化されます。また、監査が必要な際にも、必要な書類を迅速に提供できるため、内部統制が強化されます。
業務プロセスの標準化
ペーパーレス化は、デジタルツールやシステムを活用することで業務プロセスを標準化しやすくします。標準化されたプロセスにより、業務の一貫性が保たれ、ミスや不正の発生リスクが低減します。また、プロセスが標準化されることで、新しい社員のトレーニングや異動時の引き継ぎもスムーズに行えます。
データセキュリティの向上
デジタル化された文書は、アクセス権限の設定や暗号化により、より安全に保護することが可能です。ペーパーレス化により、紙の紛失や盗難のリスクがなくなり、データ漏洩のリスクも減少します。これにより、組織の情報セキュリティが強化され、ガバナンスの向上に寄与します。
迅速な意思決定
デジタル化された情報へのアクセスが容易になることで、経営層や管理職はリアルタイムで必要なデータを確認し、迅速な意思決定が可能になります。これにより、組織全体の意思決定プロセスが効率化され、ガバナンスが強化されます。
環境面でのリーダーシップ
ペーパーレス化は、環境への配慮を示す一環としても重要です。組織が環境に優しい取り組みを積極的に行うことで、社会的責任を果たし、ステークホルダーからの信頼を得ることができます。これにより、企業のガバナンスがより強固になります
ペーパーレス化のおすすめのサービス・ツール
オンラインストレージ
オンラインストレージ機能を持つツールは、インターネット上にデータを保存して共有できます。インターネットがつながる環境なら、社内でも社外でもアクセスできます。時間や場所を選ばず閲覧・編集できるため、出張時やテレワークなどにも対応できます。
電帳法に対応した帳票プラットフォーム
紙、データなど、さまざまな種類の帳票類を統合管理する電帳法にも対応したプラットフォームを利用することで、クラウド上での一元管理、文書管理の高速化を実現できます。
参考)受信したFAXを電帳法に対応したプラットフォームに連携して管理
AI-OCR
紙で受け取る帳票の入力作業をAI-OCRで賄うことができます。基幹システムまでの連携をスピーディーに処理し、読み取ったデータを基幹システムの情報と突合することでデータ精度を向上させることができます。煩雑な入力作業によって起こる人的ミスの削減や業務効率化も狙えます。
参考)AI-OCRを利用してFAX受信から基幹システムまでの連携を自動化・ペーパーレスを実現
ペーパーレスFAXの導入
ペーパーレスFAXとは、FAXで受信したデータを、電子データで保存して管理できるシステムです。紙代や印刷代などのコスト削減が期待できます。またFAX紛失の心配がないことや、スキャンした後に保存などの二度手間がかからないのもメリットです。
送信元は紙で送信できるため、顧客に負担がかかることはありません。導入ハードルが低いことから、段階的にペーパーレス化を進めたい場合に、向いているシステムです。
まとめ
ペーパーレス化は、業務効率の向上やコスト削減、資源の無駄づかいをなくせるなど、メリットが多い施策です。しかし、一度にすべての業務をペーパーレス化するのは従業員の負担が大きいため、社内の理解を得ながら、段階的に進めましょう。FAXのペーパーレス化などから取り組むのがよい方法です。
****
ネクスウェイの「FNX e-受信FAXサービス」 は受発注業務に特化したサービスです。現在のFAX番号はそのままで、ペーパーレス化が実現できます。クラウド型システムのため、特別な設備導入は必要なく、1部署1拠点でのスモールスタートがしやすいのも特徴といえます。
FAX自動受信サービス「FNX e-受信FAXサービス」の詳細はこちらから