
RPAとは?導入のメリット・デメリットと注意点を徹底解説
「受信したFAXのデータ化でお悩みですか?」
クラウドFAXをAI-OCRと連携して受注業務の完全ペーパーレス化
[詳しくはこちらから]
目次[非表示]
- 1.RPAとは?
- 1.1.RPA導入における最大の効果
- 2.RPAでできること
- 2.1.データ入力・転記作業
- 2.2.請求書・領収書処理
- 2.3.FAX対応の自動化
- 2.4.メール対応の自動化
- 2.5.レポート作成
- 2.6.在庫管理・発注処理
- 2.7.人事・給与管理
- 2.8.マーケティング活動のサポート
- 3.RPAの適用が向いている業務・向いていない業務
- 4.RPAのデメリット
- 5.導入プロセスと進め方のポイント
- 6.ツール比較と選定基準
- 7.まとめ
RPAとは?
RPA(Robotic Process Automation)とは、コンピューター上で行う業務プロセスを自動化するためのソフトウェアロボットのことを指します。主に、決まったルールに基づく繰り返し作業を人間の代わりに実行することができるため、業務の効率化や人的ミスの削減に大きく貢献します。RPAは特に、定型的で手順が明確な業務に適しており、企業のバックオフィス業務を中心に急速に普及しています。例えば、請求書の処理、給与計算、データ入力などの作業を自動化することで、人的リソースをより戦略的な業務へと振り向けることが可能になります。近年では、金融、製造、医療、行政機関など幅広い分野で活用されており、単純なデータ入力や照合作業だけでなく、複雑な業務プロセスの一部を担うケースも増えています。さらに、AIや機械学習と組み合わせることで、より高度な意思決定を伴う業務への適用も進んでいます。
製造業のDX化についてはこちらもご覧ください。
RPA導入における最大の効果
RPAを活用すると、繰り返しの多い単純作業をソフトウェアロボットが自動で処理するようになり、担当者がその業務から解放されるという大きなメリットが得られます。たとえば、毎日同じフォーマットの書類をチェックして内容を転記する作業が自動化されれば、人為的ミスが減少するだけでなく、担当者がより付加価値の高い業務へリソースを振り向けられるようになります。自動化により手戻りや確認作業が減ることで、業務全体のスピードも加速し、残業コストやオペレーションコストの削減が期待できます。単なる作業効率の向上にとどまらず、戦略的なプロジェクトに取り組む時間を創出することで、組織全体の生産性と競争力の底上げにつながる点がRPAの大きな魅力です。
しかし、業務を自動化する際には、すべてのタスクを一律にロボットへ任せるだけでは十分な効果を得にくい場合もあります。どの工程を自動化すれば良いのか、あるいは既存のプロセスを再構築したほうが効果的ではないか、といった観点で見直しを行いながら導入を進めることが重要です。
RPAでできること
RPAの活用範囲は多岐にわたります。具体的には、以下のような業務を自動化することが可能です。
データ入力・転記作業
システム間のデータ移行やエクセル入力を自動化し、手作業の負担を軽減します。特に、異なるシステム間でのデータの橋渡しや整合性のチェックに役立ちます。例えば、社内の基幹システムと顧客管理システム間でのデータ連携において、手作業による転記ミスが発生することがあります。RPAを導入することで、これらのデータ移行を自動化し、正確かつ迅速に処理できるようになります。また、複数のエクセルファイルを統合する作業もRPAで自動化でき、異なるフォーマットのデータを統一し、効率的なレポート作成を実現できます。
請求書・領収書処理
帳票の作成や送信、金額チェックを自動化することで、経理業務の負担を大幅に削減できます。請求書の発行や送信をルール化することで、支払い遅延のリスクも軽減できます。具体的には、売上データをもとに請求書を自動作成し、顧客ごとに指定された形式で送信することが可能です。また、支払い状況を監視し、未払いの顧客に対して自動リマインドを送信することで、回収率を向上させることができます。
FAX対応の自動化
RPAを活用することで、FAX業務の効率化が可能になります。従来のFAX処理は、紙の受け取り、手入力、手動送信といった作業が多く、時間とコストがかかるため、これを自動化することで大幅な業務改善が期待できます。例えば、受信したFAX文書をOCRでデジタルデータに変換し、RPAを活用して基幹システムへ自動登録することができます。これにより、FAX受信後の手作業が不要となり、データの入力ミスや遅延を防ぐことができます。また、発注書や見積書の送信をRPAで自動化することも可能です。発注が確定した時点で、RPAが取引先ごとに適切なFAX番号を選択し、必要な書類を送信することで、業務のスピードアップと効率化が図れます。さらに、FAX送信の結果を自動で確認し、エラーが発生した場合に担当者へ通知を送る仕組みを導入することで、再送作業の手間を軽減できます。ネクスウェイのFAX電子化サービス「FNX e-受信FAXサービス」はAI-OC連携も可能です。
FAXのDX化・効率化をご検討でしたら、ぜひ一度お問い合わせください。https://b2bform.nexway.co.jp/download/jyushin
メール対応の自動化
定型的なメールの送信や問い合わせ対応の支援を行います。例えば、顧客からの問い合わせに対する自動返信や、特定の条件を満たしたメールの振り分け処理が可能です。例えば、カスタマーサポート業務において、よくある問い合わせへの返信をテンプレート化し、RPAが自動的に応答することで、担当者の負担を軽減できます。また、受信したメールをキーワードや内容に応じて分類し、適切な担当者へ自動転送や、営業メールの一括送信も自動化できます。
レポート作成
データを集計し、報告書を自動生成することで、分析業務の時間を大幅に短縮できます。例えば、複数のシステムから取得したデータを統合し、特定のフォーマットで自動的にレポートを作成することができます。これにより、データの手動集計作業を省き、担当者がより高度な分析に集中できるようになります。また、定期的なレポート作成業務では、スケジュール設定を行うことで、RPAが決められた日時に自動でレポートを生成し、関係者にメールで送信することも可能です。
在庫管理・発注処理
在庫データの確認や発注手続きの自動化を行い、在庫不足や過剰在庫のリスクを低減します。また、一定の条件を満たすと発注を自動化することで、業務効率が向上します。例えば、倉庫管理システムと連携し、在庫が一定数を下回った際に自動で発注を行うことで、欠品リスクを軽減できます。また、需要予測データをもとに発注数量を調整し、過剰在庫を防ぐことも可能です。
人事・給与管理
従業員の勤怠データの収集や、給与計算の一部を自動化し、業務負担を軽減します。勤怠管理システムからデータを取得し、給与計算システムに自動入力することで、手作業の負担を削減できます。また、従業員の入退社情報を基幹システムと連携し、各種手続きを自動化することで、管理業務の効率化を図ることができます。
マーケティング活動のサポート
SNSの投稿スケジュールの管理や、Webサイトのデータ収集を自動化することで、マーケティング活動を効率化できます。このように、RPAは単純な業務を効率的に処理し、人間がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整えることができます。さらに、RPAをAIやOCRと組み合わせることで、紙の書類をデジタル化し、自動処理の幅を広げることも可能になります。これにより、さらなる業務効率化が実現できるでしょう。
RPAの適用が向いている業務・向いていない業務
RPAの得意分野は、Excelなどのツールを使って同じ処理を繰り返すような単純作業や、大量のデータを扱う事務処理です。たとえば、請求書の金額が所定の条件を満たしているかどうかをチェックし、結果を別のシステムへ入力するといったルーチンワークは、ロボットに任せることでスピードと正確性を一気に高めることが可能です。現場の担当者は煩雑な処理から解放され、問い合わせ対応や新規施策の検討といったより高度な業務に専念できるようになります。一方で、都度判断が変わる業務やクリエイティブなアイデアが求められる業務をロボットに委ねるのは難しいといえます。複数のデータソースを総合的に分析して臨機応変に対応するといったタスクは、人の経験や知見が大きく影響するため、RPAだけで完結させるのは現実的ではありません。導入にあたっては業務内容を再点検し、ルールベースで動作できる定型作業を優先して自動化する方が、費用対効果や運用のしやすさの面でも成功確率が高いです。
月1,500枚、40時間の発注書のファイリング作業を改善した事例はこちら
RPAのデメリット
RPAは多くの業務を効率化し、企業の生産性向上に寄与しますが、導入にはいくつかのデメリットや注意点も存在します。特に、すべての業務に適用できるわけではなく、RPAに適した業務とそうでない業務を明確に識別することが重要です。
例外処理に弱く、エラー発生時に停止する
RPAはルールに基づいた作業を自動化するため、予期しないエラーや例外処理に対応することが苦手です。例えば、予期しないフォーマットのデータが入力された場合や、システムの仕様変更が発生した際に処理が停止してしまう可能性があります。そのため、定期的なメンテナンスや監視が必要になります。また、RPAはエラー発生時に自動修正する機能がなく、エラーが発生すると処理が停止してしまいます。これにより、業務が中断され、手作業での対応が必要になることもあります。
判断力がないため、指定作業以外はできない
RPAは事前に設定されたルールに従って動作するため、柔軟な判断が求められる業務には適していません。たとえば、顧客対応や複雑な意思決定を伴う業務には向かず、これらの業務にはAIや機械学習を組み合わせたソリューションが必要となる場合があります。また、業務の状況が変化した場合、RPAはその変化を理解して適応することができません。例えば、顧客からの問い合わせ内容の変更や新しい業務フローが追加された場合、人間であれば即座に対応できますが、RPAは設定されたルールの範囲内でしか動作しないため、新たなシナリオに対応するためには再設定が必要になります。
複雑な指示は細かく分けて指示する必要がある
RPAは単純な作業の自動化には向いていますが、複雑なフローを実行する場合は細かい指示を設定する必要があります。そのため、業務の設計段階で十分な準備が求められ、設定や保守にかかるコストが発生する点にも注意が必要です。特に、複数のシステムを横断する業務では、各システム間のデータフォーマットや処理ルールの違いを考慮しながら設計する必要があります。例えば、異なる形式のデータを統合する際には、変換プロセスを明確に定義し、エラー発生時の対応フローを事前に設定することが重要です。
導入プロセスと進め方のポイント
RPAを導入する際には、最初から大規模なプロジェクトとして進めるよりも、小規模な業務でPoC(概念実証)を行いながら効果を測定し、その後段階的に範囲を広げていく方法がよく取られています。まずは現場の担当者やチームがRPAの動作をイメージしやすいタスクを選び、ロボットが期待通りに動くかをテストしながら改善を重ねることで、失敗リスクを抑えつつノウハウを蓄積できます。PoCを実施して効果が確認できたら、対象業務を拡大していきます。その際は、IT部門だけでなく現場部門の視点を取り入れることで、ロボットが扱うデータの正確性や運用フローのスムーズさを確保しやすくなります。RPAがうまく稼働しているかどうかをモニタリングし、想定外のトラブルが起きないかを注視する体制を整えることで、導入後のトラブル発生時にも素早い対処が可能になります。導入プロセスと運用を一体で考え、継続的に見直しと改善を重ねることが、最終的なコスト削減と生産性向上の両立につながるポイントです。
ツール比較と選定基準
RPAツールには国内外で数多くの製品が存在し、どれを選ぶかによって導入コストや運用のしやすさが大きく変わってきます。
カスタマイズ性
多くの場合、プログラミングの専門知識がなくてもドラッグ&ドロップなどのGUI操作でロボットを作れるツールが選ばれますが、社内にITリテラシーが高いメンバーがいれば、より柔軟なカスタマイズが可能なツールを好むケースもあります。
費用とサポート体制
ライセンス費用はユーザー数やロボットの稼働数によって変動することが多く、初期投資が高額になる場合でも、サポート体制が手厚いツールを選ぶことで長期的に見れば運用負担が抑えられることも少なくありません。
OCR機能
AI連携の有無も選定時に大きなポイントとなり、OCR機能が充実しているツールであれば手書き文書のデジタル化が容易になりますし、自然言語処理技術を備えたツールならば問い合わせ対応や文章解析をロボットに任せられる可能性が広がります。
拡張性
ベンダーのアップデート方針やサポート範囲を事前に確認しておくことも大切です。他のシステムと連携可能であるかどうか、自社がRPAをどの部署でどの程度活用したいのかという導入目的と照らし合わせながら、使いやすさだけでなく拡張性やサポート品質を含めて総合的に判断するのがRPA導入成功のポイントとなります。
まとめ
RPAは業務の自動化により、作業の正確性向上、スピードアップ、稼働時間の拡大といったメリットを提供します。一方で、例外処理への対応が難しい点や、判断力の欠如、複雑な業務フローへの対応の難しさといったデメリットもあります。導入にあたっては、業務の適用範囲を明確にし、適切な管理体制を整えることが重要です。RPAの特性を理解し、自社の業務フローに最適な形で導入を進めることで、より大きな効果を得ることができるでしょう。








